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Close Up Tanazaki多奈崎に迫る

【たなざき八百八町】三本松町

2019-10-30T00:00:00

地方都市の「駅前」という立地

今でこそ立派な駅ビル「エアリ」を持ち、ビジネスホテルやチェーン系の居酒屋が多い三本松界隈ですが、つい20年ほど前までは本当に何もない場所でした。

多奈崎の中心市街地は、元来多奈崎城を中心とした城下町が発達してできた水然院界隈で、せいぜい鉄道が通ってから100年そこらの多奈崎駅前はもともと、いやかなり最近まで町外れだったのです。 (列車で多奈崎に初めて来た人が駅前の閑散っぷりに驚いて、「多奈崎は田舎」という第一印象を抱いてしまうというのは、市民の中でも有名な話。)
この都市では、駅は「交通の要衝」ですがそれ以上でもそれ以下でもなく、あくまで「街」としての表情は持ち合わせていませんでした。

しかしながら、交通至便な多奈崎駅周辺。 1990年代に駅ビル「エアリ」の現在の本館部分が開業、多奈崎駅周辺に初めて大型商業施設が誕生します。ここからじわりじわり、「街」としての多奈崎駅周辺の発展が始まります。

新幹線開業と「駅前バブル」

2017年3月、初岡県の初岡市から多奈崎市まで新幹線が開業し、首都まで新幹線の線路が繋がりました。これにより急激に利便性が向上したこともあり、多奈崎駅前の開発が激化します。

駅ビル「エアリ」は東館を増床、市内初の都市型家電量販店「ニューカメラ」の開業が話題になりました。新幹線駅舎の1階部分には商業施設「ekit多奈崎」が開業、在来線の改札階にもエアリが「ゲートウェイ館」として増床し、多奈崎駅周辺の商業集積はいよいよ水然院に迫る勢いになっています。

出張・観光需要の高まりに伴い、ビジネスホテルやオフィスビルの建設も相次いでおり、お世辞にも景気の良いとは言えない県内の経済を牽引するような存在に。昔の多奈崎駅前を知る人が見たら驚くような変わりようです。