岐相新聞WEB

2024年
0426

多奈崎市長選、野党支援の岩田氏3選 与党推薦破る

任期満了に伴う多奈崎市長選挙は13日投開票が行われ、いずれも無所属で、進歩党など野党が支援した現職の岩田誠司氏(57)が、国民・明青の与党両党が推薦した新人で元衆議院議員秘書の竹村直人氏(34)、新人で元市議の大田尚美氏(58)、新人で元中学教諭の安井英孝氏(76)を破り3選を果たし、事実上の与野党対決を制した。投票率は44・48%(前回38・96%)。

岩田氏は衆議院議員などを経て2011年に初当選。福祉の充実や財政再建など2期8年の実績を強調し、市政の継続を訴えた。特定の政党から推薦を受けない「市民派」を掲げたが、与野党対決の色合いが濃くなるにつれて野党幹部が連日応援に駆けつけた。選挙戦最終日には支援を受ける進歩党の玉野良美代表が応援に駆けつけ連携をアピール。竹村氏を300票余りの僅差で振り切った。

竹村氏は衆議院議員で大積1区選出の竹村寛人国民党前政調会長の長男。寛人氏の高い知名度で選挙戦を優位に進めているとみられたが、岩田氏の猛追を振り切ることができなかった。選挙戦は寛人氏の全面的な支援のほか、推薦を受ける国民党の野呂明成幹事長など、閣僚や党幹部らが連日訪れた。日垣伸二大積県知事も応援に駆けつけ、国や県とのパイプをアピールする組織戦を展開した。

多奈崎市は大積県の県庁所在地。県庁所在地の市長選挙で与野党が直接対峙するのは今年6月の妻上市長選挙以来4ヶ月ぶりで、全国的な注目を浴びた。多奈崎市では長年にわたって国民党の支援を受ける市長による保守市政が続いてきたが、8年前に岩田氏が当時現職の田鶴仁兵衛氏を破って初当選。40年ぶりに国民系以外の市長が誕生した。今回、国民党が竹村氏を擁立した背景には、岩田氏がかつて大積1区で竹村氏の父・寛人氏を破ったことへのリベンジとの見方があり、与党は知事選並みの支援を投入した。それだけに、今回の結果は国民党にとっては痛手となることが予想され、今後の政権運営にも影を落としそうだ。

◇開票結果

当 56,975票 岩田誠司 無 現<3>
  56,666票 竹村直人 無 新
 =(推薦)国民・明青
  15,974票 大田尚美 無 新
   4,761票 安井英孝 無 新

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