空想都市・多奈崎
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2012年
「多奈崎市」を描き始める(中2)

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そんなわけで、満を辞して登場した多奈崎市。
当時の私は、地図帳風の広域地図を描いてから
多奈崎中心部の地図を描こうという策略でした。

繰り返しますが、中学2年。
この頃一番身近な地図といえば、時期的には地図帳です。
市販の詳細な地図も依然として読んではいましたが、
ディティールを書くためにはまずその周りから、と当時の私は考えたのでした。

南に海を抱えたそう広くはない平野。
さらに引きで見ると、南北に細長い土地。

ところで、多奈崎市はどこにあるかご存知ですか?

…このサイトにも書いてありますし、twitterやメディアで散々強調しています。
多奈崎市は現実世界のどこにもありません。
変なことを聞いてしまいました……というわけでもなく、これも実は大事な話。
というのも、作り始めた頃の多奈崎市は、少しの間だけですが
ほとんど「日本のどこかにある架空の街」ということになっていたのです。

「日本のどこか」にある以上、現実の日本の姿を書き換えることが目的でない限りは、
日本列島と干渉しない場所になければなりません。
当時の私は、それを北海道の北側、樺太があるあたりと想定していました。

"ほとんど"日本のどこか、という書き方なのはつまり、 日本とほぼ同じだけど、樺太の場所に
多奈崎を含む南北に細長い土地がある、という設定を拵えたからなのでした。

・・・

ちなみにそうは言っても、この設定はなかなかに無理があったため、
なんと多奈崎市を描き始めた当日(つまりこの「日本のどこか」設定が作られた当日)に撤回。
「日本とよく似た架空の国」にある、という解釈が、早速決まります。

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多奈崎市の交通網(構想)。

クリエイティビティに沸き立っていた私の手からは、
多奈崎にまつわる様々な地図や設定資料が生み出されました。
上の画像もその一つで、多奈崎エリアの鉄道路線網を描いたもの。

地形こそ今と大きく違いはありませんが、
鉄道などの路線や駅数の感覚は未熟で、
大きな街でもないのに洋上に巨大な埋め立て空港があったり、
今見るとかなり"それっぽくない"アラも…。

身近でない「地方都市」を「それっぽく描く」ことは、
殊の外難しいようでした。
経験の外にある、自分の日常でない空間を
いかにして綿密に、日常が浮かぶぐらいに描き出すか。

ここから、様々な試行錯誤を繰り返します。


続きは10月下旬に公開予定です、、、