空想都市・多奈崎
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特集記事

三本松・長塚町

2019.2.26

タイトル

この二つの町は主に多奈崎駅周辺にかかっており、南口側が三本松、北口側が長塚町と分けられます。しかし一体、何が「ホット」なんでしょうか…?

イメージ

地方都市の「駅前」という立地

今でこそ立派な駅ビル「エアリ」を持ち、ビジネスホテルやチェーン系の居酒屋が多い三本松界隈ですが、つい20年ほど前までは本当に何もない場所でした。

多奈崎の中心市街地は、元来多奈崎城を中心とした城下町が発達してできた水然院界隈で、せいぜい鉄道が通ってから100年そこらの多奈崎駅前はもともと、いやかなり最近まで町外れだったのです。 (列車で多奈崎に初めて来た人が駅前の閑散っぷりに驚いて、「多奈崎は田舎」という第一印象を抱いてしまうというのは、市民の中でも有名な話。)
この都市では、駅は「交通の要衝」ですがそれ以上でもそれ以下でもなく、あくまで「街」としての表情は持ち合わせていませんでした。

しかしながら、交通至便な多奈崎駅周辺。 1990年代に駅ビル「エアリ」の現在の本館部分が開業、多奈崎駅周辺に初めて大型商業施設が誕生します。ここからじわりじわり、「街」としての多奈崎駅周辺の発展が始まります。

新幹線開業と「駅前バブル」

2017年3月、初岡県の初岡市から多奈崎市まで新幹線が開業。急激に利便性が向上したこともあり、多奈崎駅前の開発が激化します。

駅ビル「エアリ」は東館を増床、市内初の都市型家電量販店「ニューカメラ」の開業が話題になりました。新幹線駅舎の1階部分には商業施設「ekit多奈崎」が開業、在来線の改札階にもエアリが「ゲートウェイ館」として増床し、多奈崎駅周辺(というか主に駅ビル)の商業集積はいよいよ水然院に迫る勢いになっています。

出張・観光需要の高まりに伴い、ビジネスホテルやオフィスビルの建設も相次いでおり、お世辞にも景気の良いとは言えない県内の経済を牽引するような存在に。昔の多奈崎駅前を知る人が見たら驚くような変わりようです。駅前が「ホット」たる所以はここにあります。

駅の南北のコントラスト

新幹線が開業する前、多奈崎駅の改札は南口側の地上改札のみで、北口側へは細く薄暗い跨線橋を渡らないとたどり着けない不便なものでした。その頃は南口が「表口」、北口は「裏口」の雰囲気が色濃かったといいます。

一応「表口」の南口--三本松周辺は、新幹線の開業前からマンション・アパートなどの集合住宅もポツリポツリとあるような住宅街で、駅の周りにいくつか雑居ビルがあるような、こじんまりとした街でした。新幹線開業前は本当に何もなかった北口--長塚町側とは対照的で、しかしながらこのおかげで北口側は広い道路に新築のオフィスビルやビジホが立ち並ぶ"真新しい"景観形成に成功したと言えるかもしれません。地図上でも、北口と南口を見比べると、やや開発時期の早い南口側の街路の方が若干複雑なのが読み取れるかと思います。